RazerでもLogicoolでもない第三勢力として、アジアのトップシーンで存在感を放つのがVAXEE(ヴァクシー)です。当サイトのVCT Pacific集計でも複数のトップ選手が使用を確認できました。この記事ではVAXEEの特徴、2026年の新型NP-01S V3、そして購入時の最大の注意点を解説します。
VAXEEとは:ZOWIEの系譜を継ぐ「形状の名門」
VAXEEは、競技マウスの名門ZOWIE(BenQ)出身メンバーが立ち上げたブランド。スペック競争より「形状と実戦での使い心地」に全振りする思想で、プロゲーマーとの共同開発モデル(ZYGENシリーズなど)を多く展開しています。派手なRGBや多ボタンは一切なし、という硬派な設計です。
2026年の主役:NP-01S V3 Wireless (8K)
| 項目 | NP-01S V3 Wireless (8K) |
|---|---|
| 発売 | 2026年5月(4月28日予約開始) |
| 価格 | 26(税込・公式直販) |
| 重量 | 約57g |
| センサー | 独自開発「VAXEE Core1」(PixArt共同開発) |
| 無線技術 | CoreLink・最大8,000Hzポーリング |
| カラー | ピンク/ガラパゴスグリーン |
V2からの進化点は、センサー位置がホイール寄り中央前方に最適化されたこと、ソールが0.6mm→0.75mmに厚くなったこと、サイドボタンの改善など。「形はそのまま、中身を現代化」という、形状ファンには理想的なアップデートです。
VAXEEを使うプロ(当サイト検証済み・2026年7月)
- d4v41(Paper Rex):ZYGEN NP-01S V2。世界王者チームのコア
- Monyet(RRQ):NP-01S ピンク
- PatMen(Global Esports):NP-01S V3 ガラパゴスグリーン(新型を即採用)
- Laz(元ZETA DIVISION・現ストリーマー):NP-01Sエルゴ系を現役時代から長年愛用する日本の代表格。2024年に現役を退いた後も影響力は健在です
共通するのは「Viper系・GPX系の左右対称が合わなかった層」ではなく、あえて緩やかなエルゴ形状を選んでいる点。NP-01S系はつかみ持ちで右手に自然に沿う独特の形で、一度ハマると他に戻れないと言われます。形状の考え方は左右対称とエルゴの選び方で解説しています。
購入時の最大の注意点:公式直販のみ
VAXEEはAmazonや家電量販店では正規販売されていません。購入は公式サイト(vaxee.co)の日本向けストア一択です。ここから2つの注意が生まれます。
- マーケットプレイスの転売品に注意:Amazon等で見かけるVAXEE製品は転売の可能性が高く、価格上乗せ・保証面で不利です
- 在庫は入荷待ちが発生しがち:人気カラーは予約段階で完売することも。公式のニュースページで入荷情報を追うのが確実です
VAXEEが合う人・合わない人
合う人
- つかみ持ちで、緩やかなエルゴ形状を試したい
- スペックよりクリック感・形状の完成度を重視
- プロと同じ「質実剛健」な道具が好き
合わない人
- 即日入手したい(直販のみ・入荷待ちあり)
- 60g以下の最軽量クラスを求める(V3は57gで十分軽いが、より軽い選択肢は他にある)
- ソフトウェアで細かくカスタムしたい(VAXEEは本体ボタン設定主義)
「エルゴ系で国内ですぐ買える」代替なら、同じZOWIE系譜のEC2-CW(Kr1stal使用)やDeathAdder V3 HyperSpeedが候補です。
有線にこだわるなら、LAN側も同じ基準で
VAXEEを選ぶ層は有線の安定性を重視しますが、その思想を通すならPCとルーターの接続を無線のままにしない。ケーブルはCAT6Aが正解で、CAT7・CAT8は家庭では逆効果です。
CAT6Aが正解である理由
2.6万円を出す前に:VAXEEが売っているのは性能ではなく形状
この点を理解しないまま買うと、必ず「思ったほど変わらない」と感じます。VAXEEはセンサー性能や軽さの競争に参加していないブランドです。57gという重量は2026年の基準では軽量級の下限あたりで、48g前後の製品が普通に存在する市場では「軽さ」を売りにできる数字ではありません。
では何に2.6万円を払うのか。ZOWIEの系譜を引く形状と、その形状が長期間変わらないことです。世代ごとに軽量化と新センサーで更新を重ねるLogicool Gとは正反対の思想で、手に馴染んだ形を買い直せる——これが実利です。逆に言えば、形状に強いこだわりがない人が払う理由はありません。
買う前に不安なことに、正直に答えます
試さずに2.6万円を出して、手に合わなかったら
公式直販が中心のため、家電量販店で触ってから買うのが難しいのが最大のリスクです。唯一確実な方法は、今使っているマウスの実寸から逆算すること。全長・最大幅・最大高・くびれ位置の4点をノギスか定規で測り、公称寸法と突き合わせてください。センサーやポーリングレートは、手に合うかの判断材料になりません。
似た形の安い選択肢はないのか
あります。VAXEEの形状はZOWIEの系譜なので、ZOWIE EC2-DW系が国内で入手しやすい近い選択肢です。正規流通しており実物を触れる機会も多いため、「この系統の形が自分に合うか」を安く確かめる用途に向いています。合うと分かってからVAXEEに進む順番なら、失敗コストを大きく下げられます。
転売品を買っても大丈夫か
勧めません。定価を大きく超える価格が付いていること以上に、メーカー保証を受けられない点が問題です。2万円台の製品で保証が効かないのは、故障時の損失が大きすぎます。在庫が戻るまで待つか、上記の代替で形状を確かめておくほうが合理的です。
チャタリングで壊れないか
スイッチが機械式である以上、金属接点の摩耗によるチャタリングの可能性はゼロではありません。この点は、光学スイッチを採用するRazer系(第3世代光学スイッチ=作動0.2ms・9,000万クリック耐久で原理的にチャタリングなし)のほうが構造的に有利です。「チャタリングだけは絶対に避けたい」が最優先なら、VAXEEは第一候補になりません——正直に書いておきます。
8000Hzは必要か
1000Hzとの差は0.5msで、バッテリー消費は75〜85%増えます。240Hz以上のモニターで安定してfpsが出ている環境でなければ、恩恵より充電頻度の増加のほうが体感されます。買ってすぐ8Kにするのではなく、まず1000Hzで運用して不満が出てから上げるのが実務的です。
プロが使っているのはスポンサーの影響ではないのか
完全には否定できません。ただし当サイトの検証では、d4v41・Laz・PatMen・Monyet というように所属チームを跨いで採用されています。単一チームに偏っていないことは、契約ではなく選好で選ばれている傍証になります。複数チームを跨いだ採用かどうかは、プロ使用率を読むときの実用的な物差しです。
よくある質問
Q. NP-01SとZYGEN NP-01Sの違いは?
ZYGENはプロ選手g-senjou氏との共同開発ライン。形状の基本は共通で、サイズ・細部が異なります。迷ったら標準のNP-01S系からで問題ありません。
Q. 26は高くない?
Viper V4 Pro(実売2万円台前半)やGPX SL2と同帯域です。フラッグシップ無線としては標準的な価格になりました。
Q. 有線モデルはありますか?
あります。有線版は1万円前後からで、形状を安く試す入口としても有効です。無線か有線かの考え方は無線と有線どっち?をどうぞ。
まとめ
VAXEEは「形状で選ぶ人の最終目的地」になり得るブランドです。NP-01S V3で無線性能も最前線に並びました。買うなら公式直販、待てないならEC2-CW——この2択を覚えておけば失敗しません。プロの使用状況はVCT Pacific使用デバイス総まとめで随時更新しています。





