可変OD(ダイナミックOD)とは、リフレッシュレートの変動に合わせてオーバードライブの強さを自動で切り替える機能です。fpsが上下しても残像と逆残像のバランスが崩れにくくなります。ただし搭載しているのは主にハードウェアG-SYNCモジュール機で、G-SYNC Compatible・FreeSync機では機種によって有無が分かれます。
この記事では、可変ODの意味とメーカー別の呼び方、自分のモニターが対応しているかの判定方法、そしてFPS向けのOD最適値の出し方までを順に示します。設定を詰めても残像が消えないケースの見分け方も後半に置いています。
- 【独自集計】プロが実際に使っているモニターのリフレッシュレートとパネル
- 可変OD(ダイナミックOD)とは?
- 自分のモニターで可変OD・OD設定を見つける(メーカー別の呼び方)
- 自分のモニターが「可変OD」に対応しているかの判定
- 逆残像かどうかを自分の目で見分ける
- 可変ODと残像低減機能(DyAc/ELMB)は同時に使えない
- 設定①最初に必ず:リフレッシュレートの確認
- 設定②オーバードライブ(OD):最強ではなく1段下
- 設定③残像低減機能(DyAc/ELMB)は「明るさと引き換え」
- 設定④暗所の視認性:黒つぶれを持ち上げる
- 設定⑤ゲームモードと低遅延設定
- やってはいけない設定
- ゲーム別おすすめ初期値まとめ
- 設定を詰めても残像が消えない場合
- よくある質問
- まとめ
- GPU側で必ず入れておく設定(モニター単体では完結しない)
- 残像低減機能のメーカー別の名称
- HDRはFPSで使うべきか
- 設定が保存されない・電源を切ると戻る場合
【独自集計】プロが実際に使っているモニターのリフレッシュレートとパネル
VCT Pacific 2026の選手が使用しているモニターの機種を当サイトで1件ずつ記録し、その機種のリフレッシュレートとパネル種別を確認しました(確認日 2026-08-14)。モニターが判明したのは41名です。
| リフレッシュレート | 使用者 | 割合 |
|---|---|---|
| 540Hz | 1名 | 2.4% |
| 480Hz | 1名 | 2.4% |
| 400Hz | 12名 | 29.3% |
| 360Hz | 14名 | 34.1% |
| 240Hz | 13名 | 31.7% |
注目したいのはパネルです。TNが39名(95.1%)で、有機ELや高画質パネルはごく少数でした(母数41名)。競技シーンでは色や視野角より応答速度が優先されていることが数字に出ています。普段の用途と兼ねるなら、同じ選び方が自分に合うとは限りません。
| パネル種別 | 使用者 | 割合 |
|---|---|---|
| TN | 39名 | 95.1% |
| OLED | 1名 | 2.4% |
| IPS | 1名 | 2.4% |
機種まで見ると、さらにはっきりします。41名中39名(95.1%)がZOWIEでした。同じメーカーの中で世代とリフレッシュレートが違うだけ、という状態です。
| 機種 | 使用者 | 割合 | 国内での取扱い |
|---|---|---|---|
| ZOWIE XL2566K | 14名 | 34.1% | 後継のZOWIE XL2566X+をAmazonで見る(XL2566Kは新品の出品なし) |
| ZOWIE XL2566X+ | 12名 | 29.3% | Amazonで見る |
| ZOWIE XL2546K | 11名 | 26.8% | Amazonで見る |
| ASUS TUF VG259QM | 1名 | 2.4% | Amazonで見る(国内正規品・280Hz IPS) |
| ZOWIE XL2586X | 1名 | 2.4% | 国内取扱を確認できず |
| ZOWIE XL2546S | 1名 | 2.4% | 国内取扱を確認できず |
| SONY INZONE M10S | 1名 | 2.4% | Amazonで見る |
プロと同じ機種を買う必要はありません。上の表でリフレッシュレートが240Hzの選手が3割いることのほうが、実際の参考になります。ZOWIEに集中しているのは、大会での採用や供給の事情も含んだ結果です。価格は変動するため掲載していません。製品リンクにはアフィリエイトを含みます。
可変OD(ダイナミックOD)とは?
可変ODとは、リフレッシュレートの変動に合わせてオーバードライブ(応答速度の補正)の強さを自動で切り替える機能です。固定ODでは特定のリフレッシュレートでしか最適にならないため、fpsが変動するゲームでは残像か逆残像のどちらかが必ず出てしまいます。可変ODはこの問題を解消するための機能です。
| 呼び方 | ダイナミックOD/Variable Overdrive/Adaptive Overdrive(メーカーで異なる) |
|---|---|
| 効果 | fpsが上下しても残像・逆残像が出にくくなる |
| 搭載機 | ハードウェアG-SYNCモジュール搭載機は標準/G-SYNC Compatible・FreeSync機は機種による |
可変ODはオンにすべきか(結論)
対応機ならオンが基本です。fpsが安定しないFPSタイトルほど恩恵が大きく、設定項目としては迷う必要がありません。ただし例外が3つあります。
- ちらつきが出る個体:可変リフレッシュレートと組み合わせると輝度が揺れる機種があります。暗いシーンで気になるならオフ。
- DyAc/ELMBを使いたいとき:残像低減機能とは同時に使えません(後述の排他表を参照)。どちらを取るかの判断になります。
- fpsを固定して運用している場合:上限を144や240に固定してブレないなら、固定ODを手動で詰めたほうが追い込めます。
以下、なぜ「可変」である必要があるのかを仕組みから整理します。
なぜ「可変」が必要なのか
オーバードライブ(OD)は液晶の応答速度を上げて残像を減らす機能ですが、最適なOD値はリフレッシュレートによって変わります。固定ODのままfpsが落ちてHzが下がると、ODが相対的に強すぎる状態になり、色付きのゴースト(逆残像=オーバーシュート)が出ます。
| 状況 | 固定ODの場合 | 可変ODの場合 |
|---|---|---|
| 240Hzで動作中 | 設定値が最適に働く | 最適値を自動適用 |
| fps低下で120Hzに | ODが強すぎて逆残像が出る | 自動で弱められ逆残像を抑制 |
| 60Hzまで落ちた | 色付きのゴーストが目立つ | その帯域に合わせて補正 |
つまり可変ODは、G-SYNC/FreeSync(可変リフレッシュレート)を使っていてfpsが上下する環境で効果を発揮します。fpsが常に上限に張り付いている環境では、そもそもHzが変動しないため恩恵は限定的です。
可変ODをONにすべき人・OFFでいい人
ONにすべき人
- G-SYNC/FreeSyncを有効にしている
- fpsが変動する(重い場面で落ちる)
- 144〜240fpsを行き来する環境
OFFでいい人
- fpsが常にモニターの上限に張り付いている(例:240Hzで常時240fps以上)
- 可変リフレッシュレートを使っていない
- DyAc/ELMBなど残像低減機能を優先している(多くの機種で排他)
可変ODでも逆残像が出るときは
- OD値を1段下げる:可変ODでも基準値が強すぎれば逆残像は出ます。「最強の1段下」が定石です
- fpsを安定させる:fpsの変動幅が小さければ可変ODに頼る必要が減ります。グラフィック設定を下げてfpsを張り付かせるのが根本解決です
- 実装差が大きい:同じ「可変OD」でも効き方はメーカー・モデルで異なります
FPS競技者向けの結論:fpsを上限に張り付かせて可変リフレッシュレートを使わない運用なら、可変ODは不要で、固定ODを「最強の1段下」に設定するのが最も確実です。fpsが安定しない環境でこそ可変ODの価値があります。
自分のモニターで可変OD・OD設定を見つける(メーカー別の呼び方)
つまずくのはほぼここです。「オーバードライブ」という名前でメニューに載っているメーカーのほうが少ないため、設定項目そのものが見つかりません。呼び方を知っていれば1分で辿り着けます。
| メーカー | OSDでの名称 | 推奨値(逆残像を出さない) |
|---|---|---|
| ASUS | Trace Free(0〜100/20刻み) | 60(80以上は逆残像が出やすい) |
| BenQ / ZOWIE | AMA(オフ/高/プレミアム) | 高(プレミアムは避ける) |
| Acer | Over Drive(Off/Normal/Extreme) | Normal |
| LG | 応答速度(速い/より速い/最速) | 速い〜より速い |
| Dell / Alienware | Response Time(Fast/Super Fast/Extreme) | Super Fast |
| MSI | Response Time(Normal/Fast/Fastest) | Fast |
| Samsung | 応答時間(標準/より速い/最速) | より速い |
| IODATA / JAPANNEXT | オーバードライブ(レベル1〜3) | 中間のレベル |
メニュー内で見つからないときは、取扱説明書を「応答」「Response」「Trace」で検索してください。名称が違うだけで、ほぼすべてのゲーミングモニターに搭載されています。
自分のモニターが「可変OD」に対応しているかの判定
ここも誤解が多い部分です。可変ODはすべてのモニターにある機能ではありません。
| 対応状況 | 判定方法 | 可変OD |
|---|---|---|
| G-SYNC(ハードウェアモジュール搭載) | 製品仕様に「G-SYNC」とだけ書かれた上位機 | ◎ 標準で搭載 |
| G-SYNC Compatible / FreeSync | 「G-SYNC Compatible」「Adaptive-Sync」表記 | △ 機種による |
| 可変リフレッシュレート非対応 | G-SYNC/FreeSyncの記載がない | × 非搭載 |
OSDに「Variable OD」「ダイナミックOD」という独立した項目がなければ、そのモニターに可変ODはありません。その場合は固定ODを最強の1段下に置くのが最善で、それで実用上は十分です。
逆残像かどうかを自分の目で見分ける
「残像が気になる」と感じたとき、ODが強すぎるのか弱すぎるのかで対処が正反対になります。見え方で判別できます。
| 見え方 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 動く物体の後ろに明るい/白い縁取りが出る | ODが強すぎる(オーバーシュート=逆残像) | ODを1段下げる |
| 動く物体の後ろがぼやけて尾を引く | ODが弱い(応答不足) | ODを1段上げる |
| fpsが落ちたときだけ縁取りが出る | 固定ODと可変リフレッシュレートの相性 | 可変ODをON/fpsを安定させる |
| 全体がカクついて見える | 残像ではなくfps不足 | 画質設定を下げる |
確認手順(3分)
- ①動きの速い場面を用意する:射撃訓練場で左右に素早く視点を振る、または横スクロールする画面を表示します
- ②ODを最強にして見る:明るい縁取りが出るはずです。これが逆残像の見え方の基準になります
- ③1段ずつ下げる:縁取りが消えた段階で止めます。ここが最適値です
- ④その設定でfpsを落として再確認:可変リフレッシュレート使用時は、fpsが下がった状態でも縁取りが出ないかを見ます
④で縁取りが出るなら、可変ODをONにする価値があります。出ないなら固定ODのままで問題ありません。
可変ODと残像低減機能(DyAc/ELMB)は同時に使えない
多くの機種で、残像低減機能(黒挿入)と可変リフレッシュレートは排他です。どちらを取るかで設定が変わります。
| 優先すること | 設定 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 残像の少なさ | DyAc/ELMBをON(可変リフレッシュレートはOFF) | fpsが常に上限に張り付いている人 |
| ティアリングのなさ | G-SYNC/FreeSyncをON+可変OD | fpsが変動する人 |
| 明るさ | どちらもOFF+固定OD | 暗い部屋で長時間プレイする人 |
競技志向なら、fpsを上限に張り付かせて残像低減機能を使うのが定石です。この運用ではHzが変動しないため、そもそも可変ODが不要になります。
設定①最初に必ず:リフレッシュレートの確認
意外なほど多い失敗が「240Hzモニターを60Hzのまま使っている」ケースです。Windowsの設定 → システム → ディスプレイ → ディスプレイの詳細設定から、リフレッシュレートがモニターの最大値になっているか確認してください。
- ケーブルにも注意:240Hz以上はDisplayPortが基本。付属の古いHDMIケーブルでは上限が出ないことがあります
- ゲーム内設定でもフレームレート上限を解放(またはHz値以上に)しておきます
設定②オーバードライブ(OD):最強ではなく1段下
ODは液晶の応答速度を引き上げて残像を減らす機能ですが、最強設定にすると「逆残像(オーバーシュート)」という色付きのゴーストが出ます。メーカー問わず、上から1段下(BenQなら「AMA 高」、ASUSなら「OD 3前後」)が定石です。速く動く敵の輪郭がにじむ・変な縁取りが見える場合はODを1段下げてください。
設定③残像低減機能(DyAc/ELMB)は「明るさと引き換え」
BenQ ZOWIEのDyAc/DyAc2、ASUSのELMBなどは、バックライト制御で残像感を大幅に減らす機能です。リコイル制御中も敵が見やすくなる一方、画面輝度が下がるトレードオフがあります。
- Apex・OW2などトラッキング主体:ON推奨。視認性の恩恵が大きい
- VALORANTなど明瞭さ優先:OFFでも十分。暗さが気になるならOFFが無難
- 多くの機種で可変リフレッシュレート(G-SYNC/FreeSync)と排他です。FPSでは残像低減を優先する選手が多数派です
設定④暗所の視認性:黒つぶれを持ち上げる
Black eQualizer(BenQ)、Shadow Boost(ASUS)、Dark Boost系の機能は暗部だけを明るく持ち上げて、物陰の敵を見やすくします。上げすぎると画面全体が白っぽくなりメリハリが消えるので、まず中間値から、マップの暗い場所で微調整してください。あわせて輝度は高め(部屋の明るさにもよりますが70〜100%)がFPSの定番です。
設定⑤ゲームモードと低遅延設定
- 画像モードは「ゲーム/FPSモード」:映画向けモードは映像処理で遅延が乗ります
- HDMI接続のTVやモニターは「ゲームモード」必須:これだけで遅延が数十ms変わる機種もあります
- シャープネスは中間値:上げすぎると輪郭ノイズで逆に視認性が落ちます
やってはいけない設定
- OD最強+残像低減ON の全部盛り:逆残像で視認性がむしろ悪化します
- ぼかし系・ノイズリダクション系のON:遅延の原因。ゲーム用途では切ります
- ブルーライトカット強:色が黄ばみ、敵のハイライトが沈みます。目の疲れ対策は輝度と休憩で
ゲーム別おすすめ初期値まとめ
| 設定 | VALORANT | Apex/OW2 |
|---|---|---|
| リフレッシュレート | モニター最大値(必須) | |
| OD | 最強の1段下 | |
| DyAc/ELMB | OFF〜お好み | ON推奨 |
| 暗所補正 | 中間値から微調整 | 中間値から微調整 |
| 画像モード | ゲーム/FPSモード | |
設定を詰めても残像が消えない場合
ODも暗所補正も調整したのに残像が気になる——その場合、設定で改善できる範囲を超えています。理由は単純で、1フレームの表示時間そのものが長いからです。
| リフレッシュレート | 1フレームの表示時間 | 設定での改善余地 |
|---|---|---|
| 60Hz | 約16.7ms | ほぼない |
| 144Hz | 約6.9ms | 限定的 |
| 240Hz | 約4.2ms | 設定次第で大きく改善 |
| 360Hz以上 | 約2.8ms以下 | ほぼ気にならない |
この「1フレームの表示時間」は1000msをリフレッシュレートで割った計算値です(例: 1000 ÷ 60 = 約16.7ms)。製品ごとの実測値ではありません。
ODは「1フレーム内での色の切り替わり速度」を上げる機能であって、フレーム自体の間隔は変えられません。60Hzや144Hz帯で残像が気になるなら、設定ではなくリフレッシュレートを上げるのが唯一の解決策です。
そして重要なのは、これが以前より遥かに安く実現できること。240Hzモニターは実売1.5万円台から買えます(実売価格の比較表)。10万円級の高級機は必要ありません。
ただし前提が1つ:PCが240fpsを出せなければ意味がありません。まずゲーム内でfpsを表示して、現在どのくらい出ているか確認してください。fpsが足りない場合は、モニターよりPC側への投資が先です。
よくある質問
Q. プロと同じ設定にすれば見え方も同じ?
機種と部屋の明るさが違えば最適値も変わります。この記事の初期値から、自分の環境で1項目ずつ調整するのが最短です。VALORANTのゲーム内設定はVALORANT設定完全ガイドで解説しています。
Q. 設定を詰めても残像が消えません
60〜144Hz帯では設定で消せる残像に限界があります。240Hz以上への買い替えが最も効果的です(ゲーミングモニターおすすめ10選)。
Q. フレームレートが足りているか分かりません
モニターのHz以上のfpsが安定して出ているかが目安です。fpsが足りない場合はゲーム側のグラフィック設定を下げるか、回線ではなくPC側の強化を検討してください。ラグの切り分けはPing値を下げる方法11選もどうぞ。
まとめ
モニター設定は「最大Hz確認 → OD1段下 → 残像低減はゲーム次第 → 暗所補正は中間から」の順で9割決まります。買い替えを検討中ならおすすめ10選、Apex向けはApex向けモニターを参考にしてください。
なお144Hz・240Hzが選べない、モニターが映らないといった症状は、設定ではなくケーブルや端子の規格が原因であることがほとんどです。切り分け手順は144Hz・240Hzが出ないときの直し方にまとめています。
GPU側で必ず入れておく設定(モニター単体では完結しない)
モニターのOSDだけを詰めても、PC側の設定が噛み合っていないと効果が打ち消されます。特に可変リフレッシュレートは、GPU側とモニター側の両方で有効にして初めて機能します。
NVIDIAの場合
- G-SYNCを有効化:NVIDIAコントロールパネル →「G-SYNC、G-SYNC互換の設定」→ 有効。「全画面モード」だけでなく「ウィンドウモードでも有効」にしておくと、ボーダーレスのゲームでも効きます
- 低遅延モードを「ウルトラ」に:3D設定の管理 → 低遅延モード。fpsが上限に張り付く環境で入力遅延を詰められます
- ゲーム内でNVIDIA Reflexをオン:対応タイトルならこれが最も効く低遅延設定です。低遅延モードより優先度が高く、Reflexが使えるなら低遅延モードはオフでも構いません
- 垂直同期はゲーム内でオフ、コントロールパネルでオン:G-SYNC使用時の定石です。ティアリングを防ぎつつ遅延を最小化します
- fps上限をモニターのHz-3程度に設定:G-SYNCの動作範囲から外れないようにします(240Hzなら237fps)
AMDの場合
- FreeSyncを有効化:AMD Softwareのディスプレイ設定から
- Anti-Lagを有効化:NVIDIAのReflexに相当します
- Radeon Chillはオフ:省電力目的の機能で、fpsが変動するため競技用途では逆効果です
ここを入れずにODだけ詰めても、残像は消えても遅延は残ります。順番としてはGPU設定 → リフレッシュレート確認 → OD調整です。
残像低減機能のメーカー別の名称
ODと同じく、黒挿入(バックライト明滅)による残像低減機能もメーカーごとに名前が違います。探しても見つからないのは、名前を知らないだけであることがほとんどです。
| メーカー | 名称 | 特徴 |
|---|---|---|
| BenQ / ZOWIE | DyAc / DyAc+ / DyAc 2 | 競技系で最も評価が高い。世代が上がるほど暗くなりにくい |
| ASUS | ELMB / ELMB Sync | ELMB Syncは可変リフレッシュレートと併用できる機種がある |
| Acer | VRB(Visual Response Boost) | — |
| LG | 1ms Motion Blur Reduction | — |
| MSI / その他 | MPRT / Anti Motion Blur | MPRTは規格名としても使われる |
共通する注意点は3つです。①画面が暗くなる ②多くの機種で可変リフレッシュレートと排他 ③fpsが安定していないとかえって見づらい。暗所の視認性を犠牲にしてでも残像を消したいかどうかで判断してください。
HDRはFPSで使うべきか
結論から言うと、競技目的ならオフを推奨します。
- 暗部が締まりすぎて敵が見えなくなる:FPSでは「暗いところを持ち上げて見やすくする」のが定石なので、方向が逆になります
- 色管理が変わり、設定した明るさ・ガンマが効かなくなる
- 環境によっては入力遅延が増える:モニター内部の処理が増えるためです
- そもそも「HDR対応」表記でも実際の輝度が足りない機種が多い(DisplayHDR 400程度では効果が薄い)
映像作品やシングルプレイでは価値がありますが、対戦では「見やすさ」が正義です。オフにしたうえで、黒つぶれを持ち上げる設定を使うほうが結果は良くなります。
設定が保存されない・電源を切ると戻る場合
- ゲームモードのプリセットを使っている:プリセット選択中は個別設定が固定されることがあります。「カスタム」「ユーザー」に切り替えてから調整してください
- HDRが自動でオンになっている:HDR切替のたびに設定が別プロファイルへ移ります
- 入力端子ごとに設定が独立している:DPとHDMIで別設定を持つ機種があります。ケーブルを挿し替えたら設定も入れ直しが必要です
- ソフトウェアが上書きしている:メーカー製ユーティリティが起動時に設定を戻すことがあります
Q. 結局、最初に触るべき設定はどれですか?
①リフレッシュレートが最大になっているか ②GPU側でG-SYNC/FreeSyncが有効か ③ODが最強の1段下か、この3つです。ここまでで体感の大半は決まります。残りは好みの調整だと考えて構いません。
Q. 設定を詰めても勝てるようになりません
設定は「見えなかったものを見えるようにする」までが役割で、それ以上は伸びません。次に効くのは可動域(マウスパッドのサイズ)と、回線の安定性です。特に「一瞬止まる」「敵が瞬間移動する」症状は映像設定では絶対に直りません(Pingの切り分け)。
プロが実際にどのモニターを使っているかはVCT Pacificプロ41名のモニター使用率で詳しく解説しています。
モニター側の設定を詰めたら、次はデバイスそのものが気になるはずです。プロが実際に使っている機材を条件で絞って比較するで詳しく解説しています。
モニター側を詰めても、PCがfpsを出せなければ表示は増えません。プロが使うモニターから逆算したPCの選び方(図解)で詳しく解説しています。





