VALORANTプロのPC環境を実測【41名】推奨スペックでは足りない理由を図解

「推奨スペック」を満たしても、プロと同じ見え方にはなりません

VCT Pacific 2026のプロが実際に使っている解像度とモニターを、当サイトが1件ずつ記録しました(確認日 2026-08-14)。その実測から、PCにどこまで要るのかを逆算します。

ゲーミングPCの記事の多くは、ゲーム公式が出している推奨スペックを基準にしています。ところが推奨スペックは「遊べること」の基準であって、競技シーンの見え方を前提にしていません。まずそこの差を確認します。

同じ「動く」でも、想定しているなめらかさが違う推奨スペック60fpsゲームが遊べる最低限プロの環境240fps以上同じ1秒間に表示される絵の枚数が4倍違う。推奨スペックを満たしても、プロと同じ見え方にはならない
推奨スペックは「遊べる」基準。プロの環境はその4倍のなめらかさを前提にしている

プロが実際に使っているモニターを数えました

モニターの機種が判明した41名のリフレッシュレートです。推測は入れていません。

プロが実際に使っているモニター(41名)13名240Hz14名360Hz12名400Hz1名480Hz1名540Hz確認できた41名は全員が240Hz以上。60Hzや144Hzの選手はいなかった
母数41名(モニターの機種が判明した選手)/確認日 2026-08-14

一番低い選手で240Hz、一番高い選手で540Hzでした。確認できた41名は全員が240Hz以上で、家庭でよく使われる60Hzや144Hzの選手はいませんでした。ただしこれは「プロは全員240Hz以上」という意味ではありません。モニターの機種が公開されていない選手は数えていないため、母数は41名です。

モニターのHzは「上限」であって、PCが出す枚数ではありません

ここが最初につまずくところです。モニターの240Hzは「1秒に240枚まで映せる」という意味で、実際に何枚映るかはPCが出すfpsで決まります。

モニターのHzは「上限」。fpsが足りないと使い切れない240Hzのモニター1秒に240枚まで表示できるPCが240fps出せる → 240枚表示PCが100fpsしか出ない → 100枚だけモニターを先に買っても、PCが追いつかなければ表示は増えない。逆にPCだけ強くしても、モニターのHzを超えた分は画面に出ない。両方そろえて初めて意味がある
どちらか片方だけを上げても、低いほうに合わせて頭打ちになる
先にモニターだけ買っても意味がない240Hzのモニターを買っても、PCが100fpsしか出せなければ映るのは100枚です。逆にPCだけ強くしても、60Hzのモニターでは60枚しか映りません。低いほうに合わせて頭打ちになります。

プロの解像度は80%がフルHDでした

解像度が判明した45名の内訳です。

解像度 使用者 割合
1920×1080 36名 80%
1280×960 4名 8.9%
1440×1080 3名 6.7%
1680×1050 1名 2.2%
1280×1024 1名 2.2%
母数45名/確認日 2026-08-14

高解像度のモニターは、競技設定では使われていません。4Kを使っている選手は確認できませんでした。理由は次の図のとおりで、解像度を上げると1枚を描くのに時間がかかり、fpsが落ちるためです。

フルHDで高fpsを狙うなら、GPUよりCPUが効きます

ここも誤解されやすい部分です。「ゲーミングPCはグラフィックボードが命」と言われますが、それは高解像度で遊ぶ場合の話です。

解像度によって、足を引っぱる部品が入れ替わるフルHD(1920×1080)プロの80パーセントがこれCPUが要GPUは余りがち描く絵が小さいので、指示を出すCPUが先に限界になる4K(3840×2160)プロの使用は確認できずCPUは余裕GPUが要描く絵が大きいので、絵を描くGPUが先に限界になるFPSをフルHDで高fpsに振るなら、GPUを最上位にするよりCPUに配分するほうが効く
同じ「ゲーミングPC」でも、遊ぶ解像度で優先する部品が変わる
予算の配分を変える理由プロの80%はフルHDです。フルHDでは1枚あたりの絵が小さいのでGPUに余裕が出やすく、先に限界が来るのはCPU側になります。FPSで高fpsを狙うなら、GPUを最上位に上げるより、CPUに配分したほうが体感が変わります。

では、何を基準に選べばよいか

ここまでを1つの順番にまとめます。上から順に決めると、無駄な出費が出にくくなります。

  1. 先に「何Hzのモニターで遊ぶか」を決める。これが目標fpsになります。プロの実測では240Hz以上が100%でした
  2. 解像度はフルHDで固定して考える。プロの80%がフルHDです。高解像度にすると同じPCでもfpsが落ちます
  3. その目標fpsを出せるCPUを先に決める。フルHDではCPUが先に限界になります
  4. GPUはそのCPUに見合うものを選ぶ。フルHDなら最上位である必要はありません
  5. メモリ・ストレージは、上の4つが決まってから調整する

当サイトは実機での測定を行っていないため、具体的な型番ごとのfpsは載せていません。ここで示しているのは「プロが実際にどの環境で遊んでいるか」と、そこから逆算した考え方です。型番ごとのfpsは、購入を検討しているショップの実測値や、第三者のベンチマークを確認してください。

用途別に、どこまで必要か

同じ「FPSをやる」でも、目指すところで必要な水準が変わります。上の実測はプロの環境なので、そのまま全員に当てはめる必要はありません。

目指すところ モニター 考え方
まず始めたい 144Hz 60Hzからの変化が最も大きいのはここ。プロの環境ではありませんが、体感の差は十分あります
ランクを上げたい 240Hz プロの実測でも最も多い帯。240fpsを安定して出せるCPUが要ります
プロと同じ条件にしたい 360Hz以上 実測では540Hzまでいます。ここを狙うならPC側の要求も跳ね上がります
モニターの帯は当サイトの実測(母数41名)に基づく区分/確認日 2026-08-14

先に上限を決めれば、PCにいくらかけるべきかも決まります。「とりあえず高いPCを買う」より、モニターから逆算するほうが無駄が出ません。

買う前に確認したいこと

PC本体だけを揃えても、周辺が足りないと性能を使い切れません。当サイトで確認できた範囲で挙げます。

  • モニターの接続端子。240Hz以上を出すにはDisplayPortが必要な場合があります。HDMIの版によっては上限が下がります
  • マウスのポーリングレート。当サイトの実測では、プロでも1000Hzが多数派でした。8000Hz対応はPC側の負荷も上げます
  • 国内で買えるか。プロが使っている機材は、国内で普通に買えるとは限りません。デバイス側の取扱い状況は当サイトの比較ページにまとめています

どうやって調べたか

VCT Pacific 2026に出場する選手について、公開されている使用機材と設定を当サイトが1件ずつ記録しました(確認日 2026-08-14)。モニターは機種名を記録したうえで、その機種のリフレッシュレートを確認しています。推定は使っていません。
公開されていない選手は母数から除いているため、項目ごとに母数が違います(解像度 45名/モニター 41名)。
選手が機材を変えれば数字も変わります。確認日時点の状態です。

この記事で扱っていないこと。当サイトは実機を保有しておらず、PCの組み立てやベンチマークも行っていません。そのため具体的な型番の推奨や、価格の記載はしていません(価格は変動するため)。このページの役割は、プロの実測から「何を基準に決めるか」の順番を示すことです。プロが使っているデバイス側の実測は、当サイトのデバイス比較ページにまとめています。