回線もルーターも良いのにラグい——その原因が10年前のLANケーブルだった、というのは本当によくある話です。結論から言うと、ゲーム用はCAT6A一択。数百円〜千円台で終わる、最もコスパの良いラグ対策を解説します。
結論:CAT6Aを買えば終わり
| カテゴリ | 最大速度 | ゲーム用評価 |
|---|---|---|
| CAT5e | 1Gbps | △ 10G回線で足かせに。古い家に多い |
| CAT6 | 1Gbps | ○ 現役だが今買う理由はない |
| CAT6A | 10Gbps | ◎ 正解。10G回線まで対応し家庭で扱いやすいUTP |
| CAT7・CAT8 | 10G〜40G | △ 家庭ではおすすめしない(下記) |
CAT7・CAT8を勧めない理由
「数字が大きいほど強い」と思われがちですが、CAT7以上はSTP(シールド付き)規格で、本来は業務用。シールドはアース(接地)されて初めて機能します。家庭のルーターやハブはアース前提の設計ではないため、シールドが逆にノイズのアンテナになり得る——というのが専門的に知られる注意点です。速度面でもゲームに必要な帯域はCAT6Aで完全に足ります。「CAT8だから低Ping」にはなりません。
長さと形状の選び方
- 長さ:足りないと張って断線の元。実測+1〜2mの余裕を。長すぎ(30m超など)も取り回しが悪化します
- スタンダード(丸型):耐久性とノイズ耐性のバランスが良い基本形。迷ったらこれ
- フラット型:ドアの隙間・カーペット下を通せる。踏まれる場所では断線リスクがやや高い
- 爪折れ防止コネクタ:抜き差しする環境なら必須級。爪が折れる=接触不良ラグの定番原因です
買い替えで効果が出るのはこんなとき
- ケーブルにCAT5e以下の刻印がある(ケーブル表面に印字されています)
- 回線を1G超プランにしたのにスピードテストが頭打ち
- ケーブルが硬化・被覆割れ・コネクタの爪折れを起こしている
- ルーター買い替え時に付属の古いケーブルを使い回している
逆に、すでにCAT6A以上で断線もなければ買い替え効果はありません。その場合のラグは別の原因なのでPing値を下げる方法11選で切り分けてください。
カテゴリ別の詳細スペック比較
| カテゴリ | 伝送帯域 | シールド | 想定用途 |
|---|---|---|---|
| CAT5e | 100MHz | UTP(なし) | 1Gbpsまで。旧世代 |
| CAT6 | 250MHz | UTP | 1Gbps・短距離なら10G |
| CAT6A | 500MHz | UTP中心 | 10Gbps・家庭用の最適解 |
| CAT7 | 600MHz | STP(要アース) | 業務用。家庭では利点を活かせない |
| CAT8 | 2000MHz | STP(要アース) | データセンター向け・短距離 |
ケーブル以外に見落としがちな3つのボトルネック
- ルーターのLANポートが1Gbps上限:10G回線にしてもポートが1Gなら頭打ちです。ルーター側の対応速度を確認しましょう(ルーターの選び方)
- スイッチングハブが古い:間に挟んだ100Mbpsのハブが原因、というのは非常によくあるパターンです
- PC側のLANポート/USB-LANアダプタ:安価なアダプタは100Mbps上限のこともあります。デバイスマネージャーでリンク速度を確認してください
今のケーブルを確認する方法
LANケーブルの被覆には「CAT6A」「CAT.6」などの規格が印字されています。印字がない、または擦れて読めないほど古いものは交換候補です。あわせて、コネクタの爪が折れていないか(折れていると微妙な接触不良で瞬断の原因になります)、被覆に折れ癖や割れがないかも確認しましょう。
買う前に不安なことに、正直に答えます
安いケーブルと高いケーブルで何が違うのか
同じCAT6Aなら、通信性能に差はほぼありません。規格を満たしていることが性能の全てだからです。価格差の中身は、被覆の柔らかさ・コネクタの作りの丁寧さ・爪の保護構造・長さのラインナップといった取り回しと耐久の部分です。1のCAT6Aと3のCAT6Aで、pingは変わりません。
壊れるとしたら、どこが壊れるのか
断線より圧倒的に多いのがコネクタの爪折れです。爪が折れると差し込んでも固定されず、机の振動で接触不良を起こします。「たまに一瞬だけ回線が切れる」の原因がこれというケースは珍しくありません。抜き差しの頻度が高い環境なら、爪折れ防止(ツメが保護されたタイプ)を選んでください。数百円の差で寿命が大きく変わります。
長いケーブルにすると遅くなるか
家庭で使う長さでは変わりません。CAT6Aは規格上100mまで性能を保証しています。5mでも10mでも、pingに現れる差はありません。長さは短いほど良いのではなく、余らない長さが良いと考えてください。短すぎてピンと張った状態はコネクタに負荷がかかり、爪折れの原因になります。
今使っているケーブルをそのまま使い回せるか
被覆に「CAT5e」以上の印字があれば1Gbpsは出るため、まずは交換せずに使って問題ありません。交換を検討すべきは、印字が「CAT5」だけの場合(100Mbps止まり)と、ルーター付属の細く固いケーブルを机の裏で無理に曲げている場合です。
CAT6とCAT6Aの差は家庭で体感できるか
1Gbps環境では体感できません。CAT6Aを勧めているのは、価格差がほとんどないまま将来の10Gbps環境に対応できるからであって、今日の速度が上がるからではありません。すでにCAT6を使っているなら、買い替える必要はありません。
やってはいけない配線(効果を打ち消す3パターン)
正しいケーブルを買っても、配線で性能を落としていることがあります。
- 電源タップや電源ケーブルと長く並走させる:ノイズを拾う典型です。交差させるのは問題ありませんが、平行に長く沿わせるのは避けてください。UTP(非シールド)ほど影響を受けます。
- タイラップで強く締めて束ねる:内部の撚り対が潰れると特性が崩れます。束ねるなら面ファスナーで軽くまとめてください。
- 直角に折り曲げて壁際に押し込む:曲げ半径が小さいほど内部にダメージが残ります。家具の脚で踏むのも同様です。
ケーブル・ルーター・回線をどの順番で見直すべきかはゲーマー向け回線完全ガイドに全体像をまとめています。ケーブルは最も安く済む一手ですが、最後の一手ではありません。
よくある質問
Q. Switch/PS5にもCAT6Aでいい?
はい。ゲーム機の有線ポートは1Gbps以下が主流なのでCAT6でも足りますが、価格差が小さいため将来性のあるCAT6Aで統一するのが合理的です。
Q. 中継コネクタで延長してもいい?
接点が増えるほど劣化リスクが増えます。恒久的に使うなら1本の適切な長さのケーブルに交換を。
Q. そもそも無線でもいいのでは?
カジュアルなら無線でも戦えます。判断基準はWiFiでゲームはあり?をどうぞ。ただし数百円で済む有線化の安定は、それ以上のコスパがあります。
まとめ
LANケーブルは「CAT6A・適切な長さ・爪折れ防止」の3点だけ押さえれば失敗しません。回線側から見直すならゲーム用光回線おすすめ7選、ルーターはルーターの選び方へ。
ケーブルを変えても頭打ちになる場合
LANケーブルは「規格が足りていない状態」を解消する部品であって、契約している回線より速くはなりません。CAT6A以上にしてもPingが改善しないなら、ボトルネックは回線側です。
判断は簡単で、時間帯によって明確に差が出るなら回線の混雑、常に一定なら距離やサーバー側の要因です。前者なら、NTT網を共有しない独自回線に変えると構造的に改善します。





