NATタイプが「厳重」「タイプ3」だと、マッチングが遅い・フレンドとパーティが組めない・ボイスチャットが切れるといった問題が出ます。ただし原因は3つあり、そのうち1つは設定では絶対に直りません。まず切り分けから始めます。
結論:原因は3つ、直せるのは2つ
| 原因 | 直せるか | 対処 |
|---|---|---|
| ①二重ルーター | ◎ 無料で直る | 片方をブリッジモードにする |
| ②UPnPがオフ | ◎ 無料で直る | ルーター設定でUPnPを有効化 |
| ③回線の接続方式 | × 設定では直らない | プロバイダ/回線の変更が必要 |
①②を試しても変わらなければ、原因は③で確定です。ここを知らずにルーターを買い替えると、お金を使ったのに何も変わりません。順番に確認してください。
まず自分の状態を確認する(機種別の表記)
| 機種 | 良い状態 | 問題がある状態 | 確認場所 |
|---|---|---|---|
| PS5 / PS4 | タイプ2 | タイプ3 | 設定→ネットワーク→接続状況 |
| Nintendo Switch / Switch 2 | A・B | D・F | 設定→インターネット→接続テスト |
| Xbox | オープン | 厳重 | 設定→ネットワーク設定 |
| PC(Apex等) | Open / Moderate | Strict | ゲーム内のデータ設定 |
原因①:二重ルーター(最も多い)
「ルーター機能付きのONU(ホームゲートウェイ)」の下に「市販の無線ルーター」をつないでいると、NATが2回行われて必ず厳重になります。マンションの備え付け機器+自分で買ったルーター、という構成でよく起こります。
- 見分け方:機器が2台あり、どちらにもLANポートが複数ある/両方から別々のWi-Fi名が出ている
- 対処:市販ルーター側をブリッジモード(APモード)に切り替えます。多くは本体背面のスイッチを「RT→AP/BR」に変えるだけです
- 注意:ブリッジにするとその機器の設定画面に入りにくくなるため、先にIPアドレスを控えておくと安全です
原因②:UPnPがオフになっている
UPnPはゲーム機が必要なポートを自動で開ける仕組みです。これがオフだと、ポート開放を手動でやらない限り厳重のままになります。
- ルーターの管理画面(多くは
192.168.1.1または192.168.11.1)にログイン - 「UPnP」「NAT設定」「詳細設定」内の項目を有効にする
- ゲーム機を再起動して接続テスト
それでも直らない場合は、ゲーム機のIPを固定してポート開放する方法もありますが、次の③に該当していると、そもそもポート開放そのものができません。先に③を確認してください。
原因③:回線の接続方式(設定では直らない)
ここが本題です。現在の光回線の多くは、混雑を避けるためにIPv6のIPoE接続を使っていますが、その方式によってポート開放の可否が変わります。
| 接続方式 | ポート開放 | NATタイプ | 代表的な呼び方 |
|---|---|---|---|
| DS-Lite | × 不可(UPnPも無効) | 厳重になりやすい | transix |
| MAP-E | △ 一部のみ可 | 条件付きで改善 | v6プラス/OCNバーチャルコネクト/クロスパス |
| PPPoE | ◎ 任意のポートが可 | 良好 | 従来の接続方式 |
| 独自回線 | ◎ 可(機器で設定) | 良好 | auひかり・NURO光など |
| ホームルーター/モバイル | × 不可 | 厳重で確定 | WiMAX・SoftBank Air・home 5G |
DS-Lite(transix)だとポート開放できない理由
DS-Liteはプロバイダ側の設備でIPv4のアドレス変換を行う方式です。自宅のルーターにはプライベートIPしか割り当てられないため、ルーターをどう設定してもポートを開けられません。UPnPも無効になります。高性能なゲーミングルーターを買っても変わりません。
MAP-Eなら一部だけ開けられる
MAP-E方式(v6プラス等)は自宅のルーターでアドレス変換を行うため、ポート開放が可能です。ただし使えるのは割り当てられた約240個のポートのみで、任意の番号は指定できません。ゲームの多くはUPnPで動的にポートを取るため、MAP-EでUPnP有効なら実用上は問題が出にくいのが実情です。
ホームルーターは構造的に厳重
WiMAX・SoftBank Air・home 5Gなどは、多数の契約者で1つのIPv4アドレスを共有する仕組み(CGNAT)のため、NATタイプは基本的に厳重になります。これは機種変更でも設定でも解決しません。パーティが組めないことが致命的なら、光回線への切り替えが唯一の解になります(ホームルーターの評価)。
自分の回線方式を調べる方法
- ①契約書・マイページを見る:「IPv6オプション」「v6プラス」「transix」「クロスパス」などの記載を探します
- ②ルーターの管理画面:接続方式の欄に「DS-Lite」「MAP-E」「PPPoE」のいずれかが表示されます
- ③WAN側IPを確認:ルーターのWAN側IPが
100.64.x.xのような表示なら、プロバイダ側で共有されている=ポート開放不可です
③に当てはまった時点で、ルーターの買い替えは無意味だと判断できます。
直らない場合の選択肢
選択肢A:独自回線に変える(最も確実)
auひかりのようにNTT網を使わない独自回線は、自社設備でIPv4アドレスを扱うためポート開放が可能で、夜間の混雑にも強い構成です。NATタイプの問題を根本から消したいなら、これが最も確実です。
選択肢B:MAP-E方式のプロバイダに変える
今の回線がDS-Liteなら、光回線そのものを変えずにプロバイダだけMAP-E方式へ移す方法があります。工事が不要なケースが多く、費用・手間が最小で済みます。ドコモ光でv6プラス(MAP-E)を使う場合はGMOとくとくBBが代表的です。
乗り換え時の手順と違約金の扱いは光回線の乗り換えガイドに、プロバイダ選びの基準はゲーム向けプロバイダの選び方にまとめています。
選択肢C:ルーターを買い替える(①②が原因の場合のみ)
古いルーターはUPnPの挙動が不安定だったり、IPoE方式に非対応で速度も出ません。①②が原因だと切り分けできている場合に限り、買い替えは有効です。選び方はゲーミングルーターの選び方を参照してください。
よくある質問
Q. NATタイプが厳重でもゲームはできますか?
対戦自体は可能なことが多いですが、マッチング時間が伸びる・パーティ参加に失敗する・ボイスチャットが不安定になるといった形で影響します。特にカスタムマッチやフレンドとのパーティで問題が出やすいです。
Q. ゲーミングルーターを買えば直りますか?
回線方式がDS-LiteやCGNATなら直りません。ルーターは「自宅内の処理」を良くする機器であり、プロバイダ側で行われているアドレス変換には手を出せないためです。先に方式の確認をしてください。
Q. VPNを使えば改善しますか?
NATタイプの表示が変わることはありますが、経由地点が増えるぶんPingは悪化します。対戦ゲームでは基本的に推奨しません。
Q. NATを直したのに、まだ動作が重いです
NATタイプはマッチングに関わる指標で、ラグそのものはPingとパケットロスの問題です。別の切り分けが必要になるので、Pingを下げる手順を確認してください。マンション住まいなら建物の配線方式が原因のこともあります。
まとめ
- まず二重ルーターとUPnPを確認(ここまでは無料)
- 直らなければ回線の接続方式が原因で確定
- DS-Lite(transix)とホームルーターはポート開放が構造的に不可能
- MAP-E(v6プラス等)ならUPnP有効で実用上ほぼ問題なし
- 根本解決は独自回線への変更、最小コストならプロバイダのみ変更




